大阪府岸和田市に本社を構えるフジ住宅は、戸建住宅事業だけでなく、土地活用の提案、中古住宅の流通や買取再販、賃貸管理などを展開している会社様です。
戸建住宅事業については、土地と建物をセットで提案する分譲事業を中心に取り組んでおり、年間約530棟もの住宅を提供されています。土地を持たない顧客を対象として、土地の販売から対応されています。
今回は、住生活産業総合情報誌「ハウジングトリビューン」別冊「決定版 住宅DXツールガイド2024」にて掲載されたegakuの活用事例をご紹介致します。
設計打ち合わせは2回
仕様決めの打ち合わせは
1回で完了
フジ住宅では、土地の売買契約後に設計担当者との打ち合わせを行うことになっている。この打ち合わせにおいて、建物の規模や間取り、さらには断熱性能などに関係する仕様決めなどを行っていく。加えて、顧客の内外装や設備機器などに関する要望があれば、その要望も取り入れた形でプランを作成。
この設計担当者との打ち合わせは、ほとんどが2 回で終了する。打ち合わせが1 回で終わった場合、業務手間が減った分を施主に還元する仕組みもあるそうだ。
大まかな設計プランが決定すると、次は細かい仕様決めなどを行っていくことになる。同社が取り扱っている全ての仕様を網羅したカタログを施主に渡し、施主はそれを見ながら仕様を決めていくことになる。専用の用紙に施主自ら希望の仕様を記入していく。
また、同社では内外装の仕様や設備機器を実際に見て確認することができるショールームを開設している。建材・設備メーカーのショール―ムに行くことなく、実際の商品を1 カ所で確認でき、契約者は事前予約さえ行えば、いつでも来場することが可能だ。
施主は必要に応じてショールームで商品などを確認しながら、仕様決めを行っていく。そして、最後に記入した用紙を持ってショールームに行き、最終的な打ち合わせを行う。フジ住宅と施主との仕様決めの打ち合わせは、この1 回のみで完了する。
もちろん仕様を決めていく段階で設計担当者などが相談に応じることはあるが、基本的には設計の打ち合わせが2 回、仕様決めの打ち合わせが1 回で着工へと進むことになる。さらに打ち合わせを希望する場合は、追加料金をもらうことで対応可能としている。
こうした仕組みについて、同社で設計を担当する設計部の奥田尋基課長は、「最近の若い世代の場合、SNSなどを参考にしながら自分が建てたい住宅のイメージを固めている場合も多いです。また、とくに子育て中、妊娠中のお客さまにとっては、なかなか打ち合わせの時間を数多くとれないという方々も多いです。そのように様々なケースのお客さまがいらっしゃいますので、それぞれの方に寄り添った打ち合わせの仕方を行っていきたいと考えています。お客さまによろこんでいただくということを念頭に、現在の打ち合わせの仕組みを採用しています」と話す。
紙からデジタルへ
自宅での商品選択で
顧客満足度向上
フジ住宅の設計と仕様決めから着工までのプロセスを支えているのが、カラーセレクトシステムというシステムである。
オプションも含めて同社が採用している建材や設備の情報を網羅しており、仕様決めの打ち合わせでは、施
主が記入した仕様決めのための用紙の情報を再度施主がこのシステムに入力しながら、最終確認作業を進めて
いた。
また、半年に1 度、メーカーの改廃情報などを参考にしながら、商品情報を更新する作業が求められていた。ここに一番時間がかかっていたという。こうした問題点を解消するために、新たに導入したのがコムテックスのegaku であった。egaku は、住宅仕様確定アプリで、時間浪費などの課題を解決するために開発されたものだ。
事前登録した標準仕様をベースに、設定されたセレクト商品をすべて選択していくことで、ヌケ・モレが発生しない。また、設定選択した商品によって追加オプション金額が表示されるため、施主が金額の判断をしやすく、社内間での金額齟齬や確認のロスタイムがないことも特長だ。
フジ住宅では、egaku をベースにしながら、自社の業務フローに最適な仕様決めのシステムを構築した。
このシステムを導入したことで、施主はegaku にログインすることで、自宅に帰ってからパソコンで仕様決めを行うことができるようになった。その情報をフジ住宅の担当者と共有することで、仕様表からシステムに再入力する手間が大幅に削減された。「お客さまが自宅などでパソコンでじっくりと仕様決めをできるようになったことは、満足度向上という観点で非常に大きい」(同社システム室 杉本洋介室長)という。
独自に開発した打ち合わせに関する業務フローによって、施主の負担を減らし、なおかつ業務効率も高めることに成功しているフジ住宅。egaku の導入で、その取り組みはさらに進化することになりそうだ。
ご担当者様のコメント
お客さまによろこんでいただくということを念頭に、
現在の打ち合わせの仕組みを採用しています
設計部 課長 奥田氏